代表あいさつ

一般社団法人 法人顧問FP代表理事の亀井貴文です。

私は元々、群馬県の保険代理店の経営者として活動をしておりました。

その中で、中小企業の法人経営者の方と接する機会が多くあったのですが、話をする中で大きな問題があることに気づきました。

その問題とは、『中小企業の会社経営者は、お金に関する知識に乏しく最適な選択ができていない』というものです。

例えば、金融機関が提案する複雑な金融商品を購入してしまい、本来であれば従業員の賞与を増やしてモチベーションアップに繋げられたり、翌期以降の利益を増やす為の設備投資に使えたお金が使えない状態になってしまうことはよくあります。

実際に私がお話をした社長の中には、付き合いのある地銀からの提案で仕組債を500万円ほど購入してしまい、そのお金が自由に使えなくなってしまったという方もいらっしゃいました。

なお、商品の詳しい内容をしっかりと理解されている訳ではありませんでした。

「そのお金を上手く使うことができれば、会社の利益を伸ばすために有効活用できたのに・・・」と悔しい思いをしたのを覚えています。

過度な節税に対する危機感

また、過度な節税についても危機感を持ちました。

保険を使った節税方法や、4年落ちの高級車を購入する方法、オペレーティングリースを活用した節税方法など、世の中には数多くの節税方法がありますが、

「それが本当に自社の将来の為になるのか?」

という視点で選択をしているというよりは、目先の税金を払いたくないという欲だけで節税商品に手を出してしまっていると見受けられます。

確かに、短期的な視野で見れば払う税金が少なくなりますが、結局それは納税の先送りに過ぎません。

それに、節税というのはほとんどの場合キャッシュアウトを伴います。

そのせいで資金繰りが悪くなってしまい、

  • 未来の利益を増やすための投資を行うことができなくなってしまう
  • 財務体質を良くして、有利な条件で融資を受けたり、危機に瀕した時に備えることができなくなる
  • 従業員にボーナスを与えてモチベーションを上げたり、給与を上げることができなくなってしまう
  • 融資の条件が悪くなって余計な利息を払ってしまったり、債務超過が膨らんでいく

このような事態に陥ってしまう可能性があります。

そうならない為に何をすれば良いかと言うと、会社の根本的な目標に立ち返って長期的なゴール設定を行い、そのゴールを達成する為の道のりを描いていくことが大切となります。

その道のりを描いた上で、「この節税商品はゴールを達成する為の手助けになるのか?」という観点で是非を判断していく必要があるのです。

それができていないと、せっかくのお金を無駄にしてしまい会社成長の機会を失う事態になってしまうかもしれません。

会社財務と個人資産を両輪で見る顧問契約

また、中小企業の経営者にとって、会社の財務と個人の資産は表裏一体になっています。

なので、適切なゴール設定を行う為には法人の財務だけではなく、個人の資産状況も分析して総合的な判断を行うことが重要です。

例えば、将来的に会社を売却してリタイアをしたいと考える場合、その時点で個人資産はどれくらいになれば良いのかを見定めることができれば、

『いつまでに会社をどれだけ成長させる必要があるのか』

ということを明確にすることができます。

それができれば、そのゴールに辿り着くまでに1年後、3年後、5年後はどうなっている必要があるのか、ということが明確になるので、明確な行動目標を立てることが可能になるのです。

私は、周りの中小企業経営者を見渡した時に、こういった視点からアドバイスができる専門家が世の中に必要だと感じ、中小企業を専門に顧問契約という形でアドバイスを提供することを決意しました。

初めての取り組みということもあり、最初は世の中に受け入れられるのかは不安でしたが、提案をした会社経営者からは

「お金のことはわかっていない部分も多いから色々と教えてもらいたい」

「税理士さんに任せっぱなしでわかっていない所も多いから、自分たちでお金の管理ができるようになりたい」

「自分個人の資産のことも考えて投資をしたりしないといけないと思っていたから、個人と法人の両方を見てもらえるのはありがたい」

という反応をいただき、私の会社だけではもう受けきれない状態になるほどの契約をいただくことができました。

両輪で見れる専門家の必要性を確信

そして、私が考えていた

『法人財務と個人資産を両輪で考え、長期的なゴールを設定した上でその実現をサポートする』

というサービスを提供し続けてきた結果、

  • 会社のお金の流れがわかり、業績を上げる為の勘所が掴めるようになった
  • より具体的に取り組むべきことが見えてきて、業績の伸びが大きくなった
  • 社長と経理の連携がより良くなり、より多くの仕事を効率的に任せられるようになった
  • 自分個人の資産を作る為にやるべきことがわかり、実際に個人資産が積み上がっていくようになった
  • 従業員に払うことができる給料や賞与を増やすことができ、モチベーションアップに繋がった

このような状況を実現することができ、「おかげで会社がすごく良くなりました!」という喜びの声が多く寄せられるようになりました。

実際に法人顧問FPとしてアドバイスを提供したことで起こった変化を目の当たりにしたことで、自分の考えは間違っていなかったという確信を得るようになります。

法人顧問FP協会の設立

ただ、私の会社だけではサポートできる法人の数に限りがあります。

そこで、私が今まで培ってきた知識や経験を伝え、同じような価値を提供できる専門家を創出していくことを考えました。

そうして生まれたのが、一般社団法人 法人顧問FP協会です。

法人顧問FP協会には、

『法人財務と個人資産を両輪で考え、長期的なゴールを設定した上でその実現をサポートする』

という価値観を共有し、会社財務と個人資産に関する幅広い知識を持った仲間が在籍しています。

この考えが世の中に広まり、法人顧問FPを目標達成に向けて伴走するパートナーとして抱える会社が増えれば日本の中小企業はもっと元気になるはずです。

会社のお金の流れを最適化し、財務体質を強化しながら適切に未来への投資を行うことができれば会社の持続可能な成長・発展の原動力となります。また、個人の長期的な目標を一緒に見定めて道のりを明確にし、一歩一歩確実に正しい行動を続けていくことができれば幸せな人生を実現することができるはずです。

法人顧問FPは他にも、後継者に円滑に事業を引き継いだり、事業を売却して早期リタイヤを実現したり、退職金を最適な方法で準備して豊かな老後を実現するなど、長期的な目線を持ったサポートを行うことができます。

さらに、法人顧問FP同志のコミュニティを構築し、事例や知識の共有を行うことでさらなる価値提供の向上に努めていきます。

1人でできることには限りがありますが、集合知を活用して最適なアドバイスを提供したり、協会員が構築している人脈やネットワークをかけ合わせて最適な会社やサービスを紹介するなど、協会としての組織力を活かしたアドバイスも可能となっています。

法人顧問FP協会の活動が、日本の中小企業の発展に寄与できるよう、これからも活動を続けていく所存です。